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挽肉の売上がアップとな

今日の日経新聞に、スーパーでの挽肉の最近の売上が軒並みアップしているという記事が掲載されていた。一方、冷凍食品の売上は低迷が続いているという。事の発端は例の毒入り冷凍餃子事件にあるわけだが、餃子なんてものはまさに作り手の信用が第一に問われる食べ物で、第一、具体的に中に何が入っているか食べ手には知る由がない。食べ手は基本的に作り手を「信頼」して食べるわけだが、ここで言う「信頼」とは、作り手が常識的な範囲内で安全でかつ良質な材料をもって餃子を作ってくれるはずだという信頼なのだが、例の餃子事件では、結局のところ中国の生産者は斯様な信頼をまったく満たさないどころか、逆に毒を混ぜるという、それまでの我が国では考えられない結果をもって我々に直面してきたのであり、それゆえ我々はいわば防衛反応の一環として、冷凍餃子を拒否するという行動に帰着したのであろう。

餃子はシンボリックな例であろうが、料理とは、基本的には医療と同じで、作業を担当する人間にほぼ全面的にその安全性が託される。大分昔に読んだ遠藤周作のエッセイで、遠藤がフランスで下宿していた家で、夫婦仲の良くないホストペアレンツが、毎日会話もしないでいたずらに日々を暮らしていたという内容のものがあった。遠藤は単なる下宿人なので、夫婦のリレーションについて多くを語れなかったと記憶しているが、印象的だったのは、毎日三度の料理を担当する妻が、何食わぬ顔をしながら夫の料理にわざと脂肪分を多めに混入していたという部分であった。明らかに妻は夫の短命を望んでいたわけだが、夫を死なせる具体的な手段として、脂肪過多の料理を毎日彼に提供し続けたのである。

厚生労働省の区分では、我々人間が口にするものは基本的には医薬品か食品の二種類しかないとされるが、上の話は、食品をもって夫を抹殺しようという現実的な話なのである。医薬品を用いると少し前の和歌山で起きたあの事件のような話になってしまい、刑事事件へと発展してしまうが、何も医薬品を用いなくとも、同様の目的を、ややゆっくりなペースではあるにせよ、食品をもって達成することは実際に可能なのだ。そして、この手の話は、実は世のいたるところで大なり小なり日常的に発生しており、それをいちいち捕らえて告訴することなどは、まったくもって不可能なことなのである。

ということで、漏れは最高の料理とはやはり最高の人間同士のリレーションからのみ誕生すると考えてしまうのである。それは恋人同士であったり、家族であったり、友人であったり、仕事仲間であったり、あるいは単においしいものを一緒に食べることによって幸せを共有できる仲間であったりする。そこには、日常の食事の塩分摂取量を通常の15%増しにして腎疾患で死亡するリスクを通常の何倍にさせようなどといった恐ろしい発想は微塵もない。作り手は、ただ食べてくれる人が喜んでくれるからという理由から良質の食材をそろえ、作り、提供するのである。だから、おいしい料理とは、自分と関係の深い人間だけが作れるものである。その関係を愛情をもって構成するか、あるいはお金や名誉をもって構成するかについては、ちょっと議論のポイントがずれてしまうので、ここでは控えることにする。

日本人の最近の冷凍食品の忌避は、ある意味正常な感情であると思う。しかし、人間とは実におろかなもので、今後景気が回復して旦那の懐が少々あったくなってきたとしたら、余裕の出来た妻は改めて冷凍餃子という禁断の果実に手を出し始めるかもしれない。いやいや、我が日本の女子はそんなに愚かではないはずだと、スルメのあぶったものを噛みながら焼酎を飲みつつ、漏れは思ったりするのである。

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Author:シェフまえだ
料理好きおやじシェフの個人ブログです。中小企業の経営コンサルタントです。クリスチャンの2ちゃんねらーでもあります。


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